⑴ステロイド/Steroidとは

昔ながらのRG Beatdown。
通称ステロ。
赤の火力で緑の生物の道をこじ開け、最後に本体に火力投げる感じのデッキ。
特徴としては速攻持ちのクリーチャーが多目に採用されたりすること。
流石にこういう色なのでクリーチャーのスペックは優秀。
その分他の呪文が割と尖っていて、柔軟でトリッキーな動きは出来ない。
また、相手の大型クリーチャーを突破する手段が基本的には存在しない。
そのため回避能力を持つクリーチャーが採用されることもしばしば。


⑵モダンにおけるステロイド

最近までは殆ど注目されるコトのなかったステロイドでしたが、徐々に一つのアーキタイプを成立させ始めました。
基本的には亜神型と蔦型に別れます。

ステロイドとの比較に上がるデッキは同じRGを含むデッキ。
同環境で言うところのNaya ZooとCascade Jundのコトですね。
つまり二色デッキであるステロイドは、この二つのデッキに勝る点があるのか、ということです。

⑵-1 Zooとの比較

Zooに比べると基本的に劣化のイメージが強いです。
Zooの方が基本的にステロイドよりも優秀な低マナ域のクリーチャーを採用できるので、クロックは速く見えます。
また、当然ながら他のスペルにおいても、PtEとHelixという二種類の強力な呪文を採用出来ます。

そんな中ステロイドのメリットと言うと、基本的にはクリーチャーが強いことですね。
まず根本的な話になりますが、二色デッキが三色デッキに勝っている点は色事故を起こさない点、つまりシンボルの濃いカードを入れることが出来る点です。
亜神型にせよ蔦型にせよ、デッキの根幹となっている亜神と蔦からも判るように、かなりシンボルが濃いです。
特に前者は恐ろしい色拘束なので、単色での運用が望ましいくらいです。
ステロイドの強みは、Zooでは採用出来ない高マナ域、強色拘束のカードを使うことで、クリーチャースペックの差別化を出来ることですね。
亜神も蔦もかなり大きなクロックなので、速度もZooに大きく劣ることはありません。
ただどうしてもZooに劣ってしまう点は、やはり優秀なインスタントを採用出来ないことですね。
こればっかりはどうしようも。


⑵-2 Jundとの比較

そもそもJundとステロイドではデッキの方向性がかなり違います。
というのは、モダンのJundは半ビートダウン半コントロールといったデッキなので。

優っている点は、当然ながら色事故の危険性をある程度回避→色拘束の強いカードをバンバン入れることが出来る点。
後はクロックスピードが明らかにステロイドの方が速い点ですね。

劣っている点は、とにかく柔軟性がないこと。
除去の量も、ハンデスという選択肢も、ステロイドにはありません。
ただし、アドバンテージ手段という点だけならば、大きく劣ることはありません。
こちらもCascadeはありますし、除去に強いクリーチャーを採用することも出来ますので。


⑶ステロイドのパーツ

軸になるのはまず血編み髪のエルフ。
モダンでRGをやる一つの大きな理由であり、Zooと違い高マナ域で動くことを前提にしているのならば、抜く理由はない。

次にボガートの突撃隊。
スペックも優秀で、Cascadeした時強く、苦手なタルモゴイフやキッチンへの回答にもなります。

また、地獄乗りも最近では確実に採用されます。
実質パワー4の速攻持ちみたいなもので、クリーチャーを横に展開するステロイドでは非常に優秀なクリーチャーです。

後は稲妻。
まぁ理由なんて要らんでしょう。

特筆すべきはサイドボードの血染めの月でしょうかね。
先ほどは挙げませんでしたが、二色でやるメリットの一つです。

残りのパーツは型によって変わってくるんですよね。


⑶-1 亜神型ステロイド

復讐の亜神という強力クリーチャーを採用するためにほぼ赤単と化しており、タルモゴイフまで抜いて、メインの緑はCascadeだけという構成の型までいます。

火力だけでなくメインからモルテンレインを採用してるものもあり、更にランデスに寄っているものはアヴァランチまでいたりしますね。
緑が薄いため、自分の展開スピードを上げるよりも相手の展開スピードを下げることを意識してます。

特徴的なクリーチャーとしては運命の大立者とチャンドラのフェニックスでしょうか。
前者は非常にスペックの高いクリーチャーではあるのですが、赤マナが沢山出るデッキという、ウィニーデッキの採用するクリーチャーとしてはかなり癖が強いクリーチャーです。
亜神型ステロイドは見事にこのクリーチャーの要求に応えたデッキとなっていますね。
後者は除去耐性と回避能力の二つを持ち合わせたクリーチャー。
シンボルの濃さも、必要としている火力の枚数も、亜神型ステロイドは満たしています。


⑶-2 蔦型ステロイド

名前の通り復讐蔦を軸に構築されます。
亜神と異なりこちらは緑の濃いステロイドとなっており、マナクリーチャーからの高速展開をしてきます。

このデッキもランデスに寄る型は存在するのですが、亜神型ほど容易に赤のダブルシンボルを用意出来ないことがネックです。
また、復讐蔦の性質上、デッキ内のクリーチャー枚数が28枚以上は採りたいところなので、そもそも生物以外の呪文をあまり多く積めないという問題もあります。

特徴的な生物はとりあえずマナクリーチャー。
あとは緑のユーティリティであるタルモゴイフなど。
珍しいものとしては、絡み根の霊でしょうか。

また、蔦型の大きなメリットとして樹上の村の存在もあります。
純正ビートダウンにおけるミシュランは非常に優秀ですからね。


⑷個人的な好み

個人的には蔦型の方が好み。
亜神型の方が回避能力持ちが多くタルモゴイフやキッチンで止まることは少ないのですが、ミシュランが強いこと、血染めの月を置いても二色デッキとして動きやすいこと、マナクリからの動きがスムーズなことが理由ですね。

自分の中ではステロイドの使う血編みが一番強いと感じます。
血編みは除去やハンデスを捲っても強いのですが、相手の盤面に左右されるところが嫌いです。
その点、大抵生物を捲ってくれるステロイドでは相手の盤面に左右されることは少なく、明確な「ハズレ」は存在するものの、非常に使いやすい印象です。

今のところのレシピは以下↓

3:《極楽鳥/Birds of Paradise》
4:《貴族の教主/Noble Hierarch》
4:《タルモゴイフ/Tarmogoyf》
4:《絡み根の霊/Strangleroot Geist》
2:《永遠の証人/Eternal Witness》
4:《復讐蔦/Vengevine》
2:《地獄乗り/Hellrider》
4:《ボガートの突撃隊/Boggart Ram-Gang》
4:《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》

4:《稲妻/Lightning Bolt》
2:《四肢切断/Dismember》

3:《森/Forest》
4:《樹上の村/Treetop Village》
4:《カープルーザンの森/Karplusan Forest》
2:《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
3:《火の灯る茂み/Fire-Lit Thicket》
2:《銅線の地溝/Copperline Gorge》
3:《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
2:《霧深い雨林/Misty Rainforest》


2:《強情なベイロス/Obstinate Baloth》
2:《古えの遺恨/Ancient Grudge》
1:《焼却/Combust》
2:《火山の流弾/Volcanic Fallout》
4:《血染めの月/Blood Moon》
2:《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》
2:《倦怠の宝珠/Torpor Orb》


今回はこんなところでしょうか。
更に詳しい考察は実際に使ってみてということで。





コメント

YOKO字
2012年4月25日23:18

蔦型のステロ組んだけど
蔦を捨てて一気に戻せたり、中盤の無駄牌を入れかえられるもの漁りがオススメかと

Love-lin
2012年4月25日23:20

>兄貴
まじすか!
ルーティングはまだ全然試してなかったですし、盲点だったので試してみます!
あざーっす!

だぁとら
2012年4月28日15:36

はじめまして!
現在スタンにてステロイドを愛用してる者です。

モダンではステロできないのかな…。と思っていた時にこの記事!とても参考になります!

勝手ながらリンクさせていただきました!

Love-lin
2012年4月28日15:47

>だぁとらさん
はじめまして!
スタンでもモダンでも地獄乗りと絡み根の霊は良いクリーチャーですね。
私は今はスタンをやってませんが、やるならステロイドをやりたいと思っていますので……こちらからも宜しくお願いします!

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